夜勤は私たちの生活を支える大切な仕事ですが、不規則な勤務時間の中で、食事に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
特に夜間の食事は、日中の活動時とは異なり、体への負担を考慮する必要があります。
胃腸の調子が悪くなったり、疲労感が抜けなかったりするのは、もしかしたら夜勤中の食事が原因かもしれません。
本記事では、夜勤に従事されている皆さんが健康を維持できるよう、内臓に負担がかかる食品と、その理由、そして避けるべき具体的な食品について詳しく解説していきます。
夜勤の食事を見直し、より快適な夜勤ライフを送るための参考にしてください。
1. 脂っこい揚げ物:消化に時間がかかり、胃もたれの原因に


夜勤中に小腹が空いたとき、手軽に食べられる揚げ物につい手が伸びてしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、揚げ物は夜勤中の食事としてはあまりおすすめできません。
なぜなら、脂っこい揚げ物は、私たちの内臓に負担をかけやすい食品の代表格だからです。
①なぜ揚げ物は内臓に負担をかけるのか?
人間の体は、夜間になると休息モードに入り、消化器官の働きも日中と比較して緩やかになります。
そんな夜間に、脂肪分を多く含む揚げ物を摂取するとどうなるでしょうか。
揚げ物に含まれる大量の脂質は、消化酵素の働きを必要とし、消化に非常に時間がかかります。
通常、炭水化物は数時間、タンパク質はそれよりも長くかかりますが、脂質はさらに長時間胃に留まる傾向があります。
この消化の遅延が、胃もたれや胸やけといった不快な症状を引き起こす原因となるのです。
例えば、深夜に脂っこいとんかつやフライドチキンを食べた後、胃が重く感じたり、横になると胃の内容物が逆流してくるような感覚を覚えたりした経験はありませんか?
これはまさに、消化器官がオーバーワークになっている証拠です。
②消化への負担が引き起こす悪影響
さらに、消化にエネルギーを多く消費するという点も問題です。
体が消化に集中するあまり、本来夜間に必要な休息や修復に回されるべきエネルギーが奪われてしまいます。
その結果、睡眠の質が低下したり、翌日の疲労感が抜けにくくなったりすることもあるのです。
また、脂質の過剰摂取は、長期的に見ると肝臓への負担も増大させ、脂肪肝のリスクを高める可能性も指摘されています。
夜勤中に手軽にエネルギーを補給したい気持ちはよくわかりますが、ご自身の胃腸の健康、ひいては体全体の健康を守るためにも、揚げ物はできる限り避けることをおすすめします。
もしどうしても食べたい場合は、少量を日中の早い時間に摂る、あるいは揚げ物ではなく、蒸し料理や煮物など、消化の良い調理法を選んだ食品にするなど、工夫が必要です。
2. 甘いスナックや菓子パン:血糖値の急上昇→急降下で疲労感が増す


夜勤中に集中力が切れた時、手軽にエネルギーを補給しようと、ついつい甘いスナック菓子や菓子パンに手が伸びてしまうことはありませんか?
確かに、一口食べると一時的に元気が出たように感じるかもしれません。
しかし、これらの食品は血糖値の急上昇と急降下を引き起こし、結果として疲労感を増幅させる原因となります。
これは、夜勤中の私たちの内臓に負担をかけ、パフォーマンスを低下させる食品として非常に注意が必要です。
①血糖値スパイクが体にもたらす影響
甘いスナックや菓子パンの主成分は、精製された糖質です。
これらを摂取すると、糖質は急速にブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。
これにより、血糖値は急激に上昇します。血糖値が急上昇すると、体はそれを正常な状態に戻そうと、膵臓からインスリンというホルモンを大量に分泌します。
インスリンは血液中の糖を細胞に取り込ませる働きがありますが、短時間で大量に分泌されると、今度は血糖値が急激に下がりすぎてしまうことがあります。
このジェットコースターのような血糖値の変動が問題なのです。
②疲労感と自律神経への影響
血糖値が急降下すると、脳はエネルギー不足と認識し、だるさ、眠気、集中力の低下、イライラといった症状を引き起こします。
これを「血糖値スパイク」と呼びます。
夜勤中にこのような状態に陥ると、作業効率が低下するだけでなく、判断力が鈍り、思わぬミスにつながる可能性も出てきます。
また、血糖値の急激な変動は、自律神経の乱れにもつながると言われています。
自律神経は、心拍数や体温、消化吸収など、体の様々な機能をコントロールしているため、そのバランスが崩れると、体調不良やさらなる疲労感につながりかねません。
さらに、インスリンが過剰に分泌される状態が続くと、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」を引き起こし、将来的には糖尿病のリスクを高める可能性もあります。
夜勤中に一時的なエネルギー補給を求める気持ちは理解できますが、長期的な健康とパフォーマンスを考慮すると、甘いスナックや菓子パンは避けるべき夜勤中の食事と言えるでしょう。
代わりに、血糖値の上昇が緩やかな、複合炭水化物やタンパク質を含む食品を選ぶことが賢明です。
3. カフェインの過剰摂取:胃酸分泌を促進し、胃痛や不眠を招く


夜勤中の眠気覚ましとして、コーヒーやエナジードリンクなどのカフェイン飲料を常用している方は少なくないでしょう。
一時的にシャキッとした感覚を得られるため、頼りにしている方も多いかもしれません。
しかし、カフェインの過剰摂取は、夜勤中の私たちの内臓に負担をかけ、特に胃腸の不調や睡眠の質の低下を招く食品(飲料)であり、注意が必要です。
①カフェインが胃に与える影響
カフェインには、胃酸の分泌を促進する作用があります。
夜勤中は、日中と比較して胃腸の動きが緩やかになっているため、胃酸が過剰に分泌されると、胃の粘膜を刺激しやすくなります。
その結果、胃痛や胸やけ、吐き気といった不快な症状を引き起こすことがあります。
特に、空腹時にカフェインを摂取すると、胃に直接刺激が加わりやすいため、これらの症状は顕著になる傾向があります。
例えば、休憩中にブラックコーヒーだけを飲んで、その後胃がキリキリするような経験をしたことはありませんか?
それは、胃酸が過剰に分泌され、胃の粘膜が刺激されているサインかもしれません。
慢性的に胃に負担がかかることで、胃炎や胃潰瘍のリスクを高める可能性も否定できません。
②睡眠の質への悪影響
さらに、カフェインは中枢神経を興奮させる作用があるため、眠気を覚ます効果がある一方で、摂取する時間帯や量によっては、睡眠の質を著しく低下させてしまいます。
夜勤明けにぐっすり眠りたいと思っても、カフェインの効果が残っていると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。
睡眠不足は、体の回復を妨げ、翌日の疲労感を増大させるだけでなく、免疫力の低下や精神的な不安定さにもつながる可能性があります。
カフェインの効果は個人差がありますが、一般的に摂取後数時間は効果が持続すると言われています。
夜勤中にどうしても眠気を抑えたい場合でも、摂取量や摂取時間には細心の注意を払い、可能であればノンカフェインの飲み物や、体を動かすなど別の方法で眠気対策を行うことをお勧めします。
ご自身の胃腸と睡眠の健康を守るためにも、夜勤中の食事(飲料)におけるカフェインの摂取量を見直すことが重要です。
おわりに
夜勤中の食事は、日中の食事とは異なる配慮が必要です。
ご紹介した「脂っこい揚げ物」「甘いスナックや菓子パン」「カフェインの過剰摂取」は、どれも手軽に摂取できる一方で、夜勤中の内臓に負担がかかる食品であり、体調不良やパフォーマンス低下の原因となり得ます。
ご自身の体調と相談しながら、消化に良いもの、血糖値が緩やかに上昇するもの、そして胃腸に優しいものを選ぶように心がけましょう。
今回の記事が、皆さんの夜勤ライフをより健康的で快適なものにする一助となれば幸いです。






