夜勤による認知機能低下の深刻なケースへの対処法と相談先

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より深刻なケースへの対処法と相談先


近頃、なんだか物忘れが増えた気がする、もしかして認知症の始まりだろうか…そんな不安を感じていませんか?

特に、夜勤業務に従事されている方の中には、生活リズムの乱れから認知能力の低下を実感し、将来への漠然とした不安を抱えている方もいるかもしれません。

しかし、ご安心ください。それは必ずしも深刻な病気とは限りませんし、適切な対処法や相談先を知っていれば、その不安を解消できる可能性があります。

本記事では、認知機能の低下に不安を感じるあなたのために、より専門的な視点から、その対処法と相談先について詳しく解説していきます。

目次

1. 認知機能検査の種類:改訂長谷川式簡易知能評価(HDS-R)やMMSE検査

「自分は認知症なのだろうか?」という不安に直面したとき、まず思い浮かぶのが、専門家による認知機能の評価でしょう。

医療機関で最初に行われることが多いのが、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)ミニメンタルステート検査(MMSE)です。

これらの検査は、認知症のスクリーニング検査として広く用いられており、客観的な指標であなたの認知機能の状態を把握するのに役立ちます。

①認知機能検査が重要な理由

なぜこれらの検査が重要なのでしょうか。

その理由は、客観的なデータを基に、専門家がより正確な診断を下すための第一歩となるからです。

例えば、HDS-Rは、あなたの記憶力、見当識(時間や場所の認識)、計算能力などを簡単な質問形式で評価します。

全部で9つの質問項目があり、30点満点で採点されます。

たとえば、「今日の年月日は?」や「ここは何県ですか?」といった質問から始まり、「野菜の名前をできるだけ多く答えてください」といった記憶力を試す質問へと進みます。

この検査は、単なる物忘れと、より深刻な認知機能の低下を区別するための有効な手段となります。

②HDS-RとMMSEの違い

一方、MMSEもHDS-Rと同様に、世界中で広く使われているスクリーニング検査です。

時間や場所の見当識、記憶力、計算能力、言語能力、図形描写能力など、多岐にわたる認知機能を評価します。

30点満点中、得点が低いほど認知機能の低下が疑われます。

例えば、「100から7を繰り返し引いてください」といった計算問題や、「目の前の時計の絵を写してください」といった図形描写の問題が含まれます。

これらの検査は、あなたの現在の状態を数値化し、もし認知機能の低下が疑われる場合でも、その程度を把握し、今後の治療や生活の改善策を考える上で重要な出発点となります。

③検査結果への向き合い方

これらの検査は、決してあなたを「病気」と断定するためのものではなく、あくまでもあなたの現在の認知機能の状態を把握するためのツールです。

もし結果が思わしくなくても、それは早期発見・早期対応のチャンスと捉えることができます。

また、夜勤による睡眠不足や生活リズムの乱れが、一時的に認知能力に影響を与えている可能性も十分に考えられます。

専門家は、検査結果だけでなく、あなたの生活習慣や仕事内容についても丁寧にヒアリングを行い、総合的な判断を下します。



2. 専門家への相談タイミング:もの忘れが日常生活に支障をきたす場合

「物忘れが増えた」と感じる時、その程度は人によって様々です。

しかし、専門家に相談すべき明確なサインは、「もの忘れが日常生活に支障をきたし始めたとき」です。

これは単に「あれ、なんだっけ?」と名前が思い出せないような、誰にでも起こりうる軽い物忘れとは一線を画します。

①日常生活に支障をきたす物忘れとは

なぜこのタイミングが重要なのでしょうか。

その理由は、認知症の初期症状は、しばしば日常生活の中で顕在化するからです

例えば、約束をすっかり忘れてしまったり、料理の手順がわからなくなったり、慣れた道で迷子になったりすることが挙げられます。

また、仕事においては、以前は問題なくこなせていた業務でミスが増えたり、新しいことを覚えるのが極端に難しくなったりすることも、相談を検討すべきサインです。

特に、夜勤業務では、複雑な手順や臨機応変な対応が求められる場面も多いため、自身の認知能力の低下が、仕事のパフォーマンスに直接影響を与え、さらなるストレスを生む悪循環に陥ることもあります。

②早期相談のメリット

このような変化が自分自身や家族から見て明らかになった場合は、迷わず専門家に相談することが大切です。

早期に診断を受け、適切な治療や支援を始めることで、病気の進行を遅らせ、より長く自分らしい生活を送ることが可能になります。

また、認知症の原因はアルツハイマー病だけではありません。

甲状腺機能の低下やうつ病など、他の病気が原因で物忘れが増えることもあります。これらのケースでは、原因となる病気を治療することで、物忘れの症状が改善することもあります。

自己判断で悩むのではなく、専門家の助けを借りることで、適切な原因究明と治療へと繋がるのです。

③相談をためらわないで

「もしかしたら大したことないかも」と相談をためらう気持ちはよく分かります。

しかし、その不安な気持ちを一人で抱え続けることは、精神的な負担を増やすばかりです。

専門家に相談し、適切な診断を受けることは、不安を解消し、前向きな一歩を踏み出すための第一歩です。



3. 医療機関の選び方:もの忘れ外来や脳神経内科、精神科の受診

物忘れや認知機能の低下に不安を感じ、専門家に相談しようと決意したとき、次に悩むのが「どこの病院に行けばいいのだろう?」ということです。

選択肢はいくつかありますが、代表的なものとして「もの忘れ外来」や「脳神経内科」、「精神科」が挙げられます。

それぞれがどのような役割を担っているのかを理解しておくことは、自分に最適な医療機関を選ぶ上で非常に重要です。

①もの忘れ外来とは

まず、もの忘れ外来は、その名の通り、物忘れや認知症の専門的な診療を行う外来です。

多くの病院に設置されており、認知症の診断から治療、家族へのサポートまで、総合的に対応してくれます。

初診では、HDS-RやMMSEなどの検査に加えて、問診や血液検査、脳の画像診断(MRIやCTなど)を行い、物忘れの原因を多角的に探ります。

認知症の初期段階から、どのタイプの認知症なのかを正確に診断し、個々の症状に合わせた治療計画を立ててくれるため、初めて相談する方にとっては最も安心できる選択肢と言えるでしょう。

②脳神経内科と精神科の違い

次に、脳神経内科です。

ここは脳や神経、筋肉の病気を専門とする科で、認知症の原因となるアルツハイマー病やレビー小体型認知症などの診断と治療に長けています。

特に、夜勤による生活リズムの乱れが、頭痛やめまいなどの神経症状を伴って認知能力に影響を及ぼしている場合、脳神経内科の専門医が、より詳細な神経学的検査を通じて、根本的な原因を解明してくれる可能性があります。

一方、精神科も重要な選択肢です。認知症と似た症状は、うつ病などの精神疾患によって引き起こされることがあります。

仕事のストレスや夜勤による疲労が原因で、認知能力の低下を感じている場合、精神科医が心の状態と身体的な症状の両面からアプローチすることで、より適切な診断と治療に繋がります。

③適切な医療機関を選ぶには

どの科を選ぶべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談し、紹介状を書いてもらうのが良いでしょう。

また、地域によっては、地域の医療機関や相談窓口が、適切な医療機関を案内してくれる場合もあります。



4. 産業医への相談:職場の健康管理部門を通じての相談方法

「物忘れが増えたけど、仕事に影響するかもしれないから、まずは職場で相談したい」と考えている方もいるかもしれません。

そのような場合、産業医への相談は非常に有効な選択肢です。

産業医は、企業の従業員の健康管理を専門とする医師で、従業員の心身の健康問題について、プライバシーに配慮しながら相談に乗ってくれます。

①産業医に相談するメリット

なぜ産業医に相談するのでしょうか。

その最大の理由は、産業医があなたの仕事内容や職場環境をよく理解しているからです。

夜勤業務に従事している場合、その特殊な労働環境が認知能力に与える影響について、産業医は専門的な見地からアドバイスしてくれます。

例えば、睡眠の質の改善方法や、仕事の負担を軽減するための対策など、あなたの状況に合わせた具体的な提案をしてくれるでしょう。

②相談方法と注意点

産業医への相談は、通常、職場の健康管理部門や人事部門を通じて行われます。

相談を希望すれば、担当者との面談を設定してもらうことができます。

この際、「物忘れが増えて仕事でミスが多くなった」「夜勤と日勤の切り替えが辛く、認知能力が落ちている気がする」といった具体的な悩みを伝えることで、産業医もより的確なアドバイスを提供できます。

③守秘義務と安心感

また、産業医は守秘義務を負っているため、相談内容が本人の同意なく上司や同僚に知られることはありません。

安心して相談できる環境が整っているのが大きなメリットです。

もし、より専門的な医療機関での診察が必要だと判断された場合、産業医が適切な医療機関を紹介してくれることもあります。

このように、産業医は、あなたが仕事と健康を両立していくための大切なパートナーとなり得ます。

一人で抱え込まず、まずは職場の専門家である産業医に相談してみることを強くお勧めします。



おわりに

夜勤という特殊な勤務形態は、私たちの心身にさまざまな影響を与えます。

とりわけ認知機能の低下は、見過ごされがちな問題でありながら、日常生活や仕事の質に大きく関わる重要なテーマです。

しかし、物忘れや集中力の低下を感じたからといって、すぐに深刻な病気と結びつける必要はありません。

大切なのは、早めに気づき、正しい知識と適切な相談先を知っておくことです。

この記事が、夜勤に従事する皆さんが不安を抱え込まず、前向きに対処するための一助となれば幸いです。

自分自身の変化に耳を傾け、必要なときには専門家の力を借りることで、より健やかな夜勤ライフを築いていきましょう。



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